消えてもしなない



こんにちは。回遊型演劇「むかしむかし、あるお家に」番外編〜ひらけ!妖怪まつりのたまてばこ!の開催まで、残り一ヶ月となりました!運営のMSです。


一ヶ月前に何を書こうと考えた時に、『消えても、死なない』という初演のセリフを思い出しました。

「むかしむかし」シリーズの初演は2021年。八王子にあるいちょうホールの小ホールから始まりました。最初は「昔話」をモチーフに、お母さんに本を読んでもらっているアイコと、ひとりで本を読んでいるユウスケが、カメの背中に乗って竜宮城にやってきて、「かちかち山」「あかたろう」そして現実の世界を巡る……というお話でした。たぬきは初演から登場します。2023年の上演から「妖怪」が作品に登場し、回遊型演劇として大きく形を変えたのですが、エンディングのダンスなど、細かな要素は今も初演から引き継がれています。

そして、『消えても、死なない』というセリフは、セリフこそ残っていませんが、「見えないもの、消えてしまうものに光を当てる」という物語の核となり、やがて「目に見えないものを大切にする、尊重する」という現在の「むかしむかし」のテーマへと引き継がれたのです。

『見えなくてもいるんだよ』とアイコに言ったのは、初演のカメだったでしょうか。

かつてあった場所、出逢った人、たとえなくなってしまったとしても、そこにあったものは私の中に消えずに残っています。

全てが消えてしまったあとに、なにか少しでも日常に気配を残せたら、お客様が日々の生活のすみっこに妖怪を感じてくれたらいいなと思いながら、今回も「むかしむかし」という作品に携わっています。

写真は、『むかしむかし、あるお家に』初演の舞台写真です。